効率的なマルチベンダーコントロールのコツ4つ
要件整理やスケジュール調整に時間がかかりプロジェクトが停滞すると、費用とスケジュールの大幅なロスにつながります。プロジェクトを滞りなく推進し成功させるには、複数のベンダーを連携させ、統合的に管理する「マルチベンダーコントロール」が不可欠です。
ここでは、マルチベンダーコントロールのコツを4つご紹介します。
共通のコミュニケーション手段を持つ
ベンダー共通のコミュニケーション手段やフォーマットを整備し、情報共有がしやすい体制を作りましょう。プロジェクト全体で情報が可視化され、各ベンダーが最新の情報を得やすくなることで、やりとりを円滑に進めることができます。
情報が埋もれがちなメールの代わりに、Backlog・Asanaといったプロジェクト管理ツールや、Slack・Teamsといったチャットツールを活用するのがおすすめ。定期的な会議や報告の場を設けることも効果的です。
役割分担と責任範囲を明確にする
各ベンダーの役割やプロセス、ルールなどを定義することが重要です。ベンダーの業務範囲と責任の所在を明確にし、誰が・いつ・どんな作業をおこなうのか詳細なスケジュールに落とし込みます。その際、ベンダー同士のタスク関係が結ばれているように、前後関係を意識しましょう。トラブル発生時の解決フローもあらかじめ決めておくことでリスクを抑えることができます。
また、クライアント企業の統括責任者は複数のベンダーとの折衝や的確な指示が必要となるため、技術・知識・マネジメント経験のあるメンバーが適任です。必要に応じてPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)を立ち上げても良いでしょう。
プロジェクト全体像を共有する
プロジェクトの目的や実現したいゴール、全体スケジュールを可視化してベンダーに共有しましょう。各ベンダーが自社以外の工程や成果物に対して共通理解を持つことで、ズレが起きづらくなります。
プロジェクト全体でマイルストーンを設定することも効果的です。定期的な進捗確認により、問題の早期発見と解決が可能になります。
専門サービスを活用する
クライアント企業内でPMOの設置や人材の確保が難しい場合は、外部の専門サービスを活用する方法もあります。
その分費用はかかりますが、外部企業が複数のベンダーを取りまとめてプロジェクト全体統括をおこなうことで、クライアント企業の業務負荷軽減や属人化を防ぐというメリットがあります。進行管理だけでなく要件定義や設計といった上流工程から支援しているサービスもあるため、目的に合わせて委託するとよいでしょう。
また、あくまでもクライアント企業が主体となって進行したい場合には、クライアント企業内にPMを立てながらPMO支援をおこなうサービスもあります。